【AIO/LLMO対策に必須】schema.orgとは?AIに自社サイトを参照させたいなら今すぐ設定!

Webサイトの各ページに、そのページに何が書かれているかを示すschema.orgを入れることで、AIがより正しくページを認識し、AIに参照元として引用されやすくなります。HTMLを使って構造化された分かりやすいページを作ることに加え、schema.orgを入れることで、よりAIに最適化されたページを作るようにしましょう。
ここではAIO対策におけるschema.org(スキーマドットオーグと読みますが、単にスキーマと言ったりもします)の重要性と、その実装方法について解説しています。
schema.orgは以前からありましたが、AI時代になり、ますます重要になってきました。
まだ入れていない場合は、この記事を参考にすぐ実装してくださいね。
schema.orgとは何か?
schema.orgとは、検索エンジンに対して「ページに書いてある内容の意味」を正確に伝えるための構造化データの仕様のことです。
ただ、こう言われても初めて聞く方はピンとこないかもしれません。
そういう方は、下をご覧ください。これがschema.orgです。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Product",
"name": "高性能ノートパソコン",
"description": "軽量で高性能な14インチノートパソコン",
"brand": { "@type": "Brand", "name": "TechBrand" },
"offers": {
"@type": "Offer",
"priceCurrency": "JPY",
"price": "128000",
"availability": "https://schema.org/InStock"
}
}
</script>
schema.orgの実装とは、これをWebサイトの各ページのHTML内に入力することです。
各項目は、それぞれ次のような意味になります。
schema.org | 意味 |
@context | schema.orgの構造であることを示しています |
“@type”: “Product” | ページタイプ:製品情報が掲載されたページ |
“name”: “高性能ノートパソコン” | 製品名:高性能ノートパソコン |
“description”: “軽量で高性能な14インチノートパソコン” | 製品の説明:軽量で高性能な14インチノートパソコン |
“brand”: { “@type”: “Brand”, “name”: “TechBrand” } | ブランド情報のタイプ指定。ここではTechBrandというブランド名が指定されている |
“offers”: { | ここから下は商品の販売情報であることを示している |
“@type”: “Offer” | 商品のオファー(販売条件) |
“priceCurrency”: “JPY” | 商品の通貨単位は日本円(JPY) |
“availability”: “https://schema.org/InStock” | 商品の在庫がある(InStock)状態であることを示す。 ※schema.orgのURLを指定することで、意味を明確に定義している。 |
この例ではページタイプ(@type)は製品(product)でしたが、他にも次のようなページタイプがあります。
用途 | @type | 意味 |
記事 | Article | ブログ記事やニュース |
商品 | Product | ECサイトの商品情報 |
レビュー | Review | 評価・口コミ |
店舗情報 | LocalBusiness | 店の名前・住所・営業時間など |
レシピ | Recipe | 料理手順や材料など |
イベント | Event | 開催日時・場所など |
schema.orgをイメージして頂けたでしょうか。
AIO/LLMOでもschema.orgが重要な理由
このschema.orgを入れることで、AIはより正確にページの意味を理解できるようになります。
もちろん、LLM(大規模言語モデル)は自然言語を理解しますが、「これは商品なのか?FAQなのか?場所の説明なのか?」を明示する構造化データがあった方が、AIの理解精度が格段に上がるのです。

なぜ格段に上がるといいの?
それは、AIの処理する情報量や求められるものが、以前とは比べものにならないくらい増えたためです。
入力されたキーワード(検索クエリ)に対応していた頃と違い、AIは人間から普通に質問されるようになりました。
「都心からクルマで1時間前後で行ける、家族四人で楽しく遊べる、おすすめのスポットを教えて」
という風にです。
このときAIは、質問の意味(文脈)を瞬時に正しく捉えて回答する必要があります。
そのため「このページは何について書かれているか」をすぐ理解できるページを好みます。
また、そうしたページほど、GoogleなどのAIから高品質と判断されるのです。
正しい構造化HTML+schema.orgが最強
ただ、ここまで読まれた方の中には

AIは、schema.orgのようなバックグラウンドの情報よりも、HTMLの構造そのものをより重視するのでは?
と思われた方もいるんじゃないでしょうか。
その通りです。
ChatGPTやPerplexityのようなLLMは、通常のウェブページをクローリングして目に見えるテキストやHTML構造(見出し・リスト・テーブルなど)を重視して学習・理解しています。
特にChatGPTのようなモデルは、構造化データ(JSON-LDなど)を明示的に処理するわけではないとも言われています。
それでもschema.orgがAIOで重要な理由
しかし、そうした前提があってもschema.orgは重要と言わざるを得ません。
理由①:検索エンジンやAIエージェントがバックエンドで利用している
PerplexityやGeminiなど、一部のAIエンジンはGoogleやBingなどの検索インデックスを引用元とすることが多く、その際にschema.orgによる構造化データは品質評価・リッチリザルト生成・文脈理解に影響しています。

「ユニクロ Tシャツ」で検索。
特にGEOマーケティング(位置情報を活用したマーケティング手法)では、schema.orgがあった方がGoogleローカルパックやナレッジパネルに乗りやすくなります。

「渋谷 カフェ」で検索。

「任天堂」で検索したときに表示されたナレッジパネル(右)。
理由②:構造化データがないと「意味の誤解」が起きやすい
AIはHTMLの構造や文脈から推測するとはいえ、例えば以下のような場合に誤解が生まれます:
- 複数のレビューが並んでいるのに、「誰が書いたのか」「何について書かれたか」が曖昧
- FAQ風のコンテンツが、単なる「見出し+段落」に見えてしまう
- 店舗の住所や営業時間が本文中にあっても、どの情報が何を意味するのかが曖昧
schema.orgを使うことで、これらの曖昧性を排除し、AIや検索エンジンに意味を補強できるのです。
理由③:今後のAIの発展に伴い、より必要とされる
ChatGPTやClaudeなどのAIは、テキストだけでなく、画像・動画・音声・構造化データなど複数の形式の情報を理解します(こうしたAIのことをマルチモーダルAIと言います)。
Webページを単にテキストとして読むのではなく、構造・意味・画像などを総合的に理解できるわけです。
さらに、CopilotやPerplexity Proのように、複数のソースから情報を収集して要約・分析するエージェント系AIもあります。
これらのAIは、ページの全文を読まずに、構造化データから重要情報だけ抽出する可能性があります。
今後はこうした傾向がさらに進み
- Webページを「人が読む」前提ではなく、「AIが読み取って整理・要約する」時代になる
- そのときに、「意味の明確なマークアップ」がないと、AIに正しく読み取られず、引用や比較に使われなくなる
- schema.orgは、その「意味」を伝える共通言語であり、未来のAI最適化(AIO)に不可欠な土台
となる。
つまりHTMLという構造化データとschema.orgの両方が必要というわけです。
両方の特徴をまとめると、こんな感じ。
観点 | HTML構造 | schema.org |
AIによる基本理解 | ◎ とても重視される | △ 補助的に扱われる |
意味の明示性 | ◯ ある程度文脈は伝わる | ◎ 意図が明確に伝わる |
信頼性・整備性の評価 | △ 曖昧になりやすい | ◎ 「整備されたページ」と評価されやすい |
今後のAI活用(AIO/LLMO) | △ 限界がある | ◎ 活用拡大中 |
今後のAIの発展を考えたとき、schema.orgの有無が大きな差となって現れてくると思います。
schema.orgの作成
Merkle Schema Markup Generatorを使ってschema.orgを作成
schema.orgの作成ではMerkle Schema Markup Generatorを利用するのが一番いいでしょう。
指定された項目を入力していくだけで、schema.orgを作ってくれます。

Merkle Schema Markup Generatorで作るメリットとしては
- フォームに入力するだけで、正しいJSON-LD構文を自動生成してくれる
- 必要なフィールドが明示されていて、抜け漏れが起きにくい
- 出力されたコードは構文的に安定しており、初心者も安心して使える
といったものがあります。
一方、デメリットとしては
- 基本的なタイプ(Product、FAQPage、Articleなど)に限定されている
- 柔軟なカスタムは難しい(複数の構造を組み合わせたいときは不向き)
が挙げられます。
そうした場合はChatGPTに作ってもらう方法もあります。
ChatGPTを使ってschema.orgを作成
ChatGPTで作る場合は、以下のようなプロンプトを入れて、作ってもらいましょう。
次のページのschema.orgを作って下さい。
https://aiotaisaku.com/aio/diff_betw_aio_llmo_geo/
必要な情報があれば聞いて下さい。
すぐChatGPTから
- 著者名やプロフィールURL
- 記事の公開日と最終更新日
- 記事に使用している画像URL(記事の代表画像など)
- 記事の簡単な説明文(description) や キーワード(タグ)
について聞いてきたので回答したところ、次のようなschema.orgを作ってくれました。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "BlogPosting",
"headline": "AIO・LLMO・GEOの違いは?結局どれを使うべき?",
"description": "AIO、LLMO、GEOは、生成AIに自社サイトを引用させるための最適化手法です。(以下略)",
"image": "https://aiotaisaku.com/wp-content/uploads/2025/06/aiollmogeo_cover.jpg",
"author": {
"@type": "Person",
"name": "匿名"
},
"publisher": {
"@type": "Organization",
"name": "AIO対策",
"logo": {
"@type": "ImageObject",
"url": "https://aiotaisaku.com/wp-content/uploads/2024/07/aiotaisaku_logo.png"
}
},
"datePublished": "2025-06-23",
"mainEntityOfPage": {
"@type": "WebPage",
"@id": "https://aiotaisaku.com/aio/diff_betw_aio_llmo_geo/"
},
"keywords": [
"AIO対策",
"LLMO",
"gemini",
"google",
"ai",
"AIO",
"deepresearch",
"chatGPT",
"Claude",
"Copilot"
]
}
ChatGPTで作るメリットとしては
- ページのURLや情報を渡せば、カスタマイズされたマークアップを生成してくれる
- 複数の@typeを組み合わせるなど、柔軟で複雑な構造にも対応できる
- わからない点を質問しながら進められる
という点があります。
ChatGPTで作るデメリットは
- ページ内容を手動で説明する必要がある(URL指定でもHTML構造によっては精度に差あり)
- 完全な自動処理ではない(意図を伝える必要がある)
- 間違った構文が出ることもある(とくに複雑な入れ子構造の場合)
といった点があるでしょうか。
あとChatGPTで作ると
<script type=”application/ld+json”>~</script>
が入っていないこともあるので注意しましょう。
Merkle Schema Markup Generator+ChatGPTのハイブリッドもOK
Merkle Schema Markup GeneratorとChatGPTのどちらかである必要はありません。
まず、Merkle Schema Markup Generatorで作り、それをChatGPTに入れて修正するというハイブリッド方式でも構いません。
下にschema.org作成関連のページをまとめましたので、これらも見ながら、自分が一番やりやすい方法を見つけてください。
ツール名 | 特徴 | おすすめ用途 |
Merkle Schema Markup Generator | GUI形式でわかりやすく、必要項目が揃っている | FAQ・Product・Articleなど基本的な構造に |
Schema.dev | 対話型UI+多機能、リッチリザルトの確認機能付き | より複雑な構造を作りたいときに |
Hall Analysis Schema Generator | シンプルで初心者向き、特にPersonやEventに強い | 基本的な個人や企業のマークアップに |
Kalicube Pro Tools | ブランド・著者・会社などのEntity強化に特化 | ナレッジパネルを狙うローカルビジネスや専門家に |
Google Search Console (リッチリザルトレポート) | schema.org作成ツールではないが、正しく実装できたかをGoogleが判定 | 実装後の確認に |
schema.orgの実装方法
WordPressサイトへのschema.orgの実装
私が使っているWordPressのテーマ(JIN:R)の場合、投稿ページ内に入力欄(header内に読み込むタグ設定)があり、そこに貼り付けるだけで済みました。
※この場合も、schema.orgを<script type=”application/ld+json”>~</script>で囲むようにして下さい。

まずは、ご自分のWordPressテーマで同様の機能が無いか、探してみて下さい。
もし無い場合は、次の二つのいずれかで入力しましょう。
カスタムHTMLブロックで手動追加(中級者向け)
画像や段落を入れる手順で画面をクリックすると、左側にブロックが表示されます。
検索フォームに「カスタム」と入力して「カスタムHTML」をクリックしましょう。

カスタムHTMLの入力欄が出るので、そこにschema.orgを貼り付けて保存します。

この方法だとHTMLのヘッダー(<head>~</head>)ではなく、<body>タグ内に挿入されます(画面には表示されません)。
Google公式見解では、JSON-LD形式の構造化データは<body>と<head>の両方に埋め込めるとされていて、特に問題はありません。
プラグインを使ってschema.orgを使う
ただ、この方法はイヤだという場合は、下のようなプラグインを使うこともできます。
プラグイン名 | 特徴 |
SEO SIMPLE PACK | schema.orgの基本的な構造化データを自動生成 |
Rank Math | 高機能SEOツール。各記事ごとにschema.orgの種類を選べる |
Yoast SEO | 世界的に人気。schema.orgを自動挿入してくれる(詳細なカスタム不可) |
私は、これらのプラグインを使っていないので詳細は省きますが、これらを使うとschema.orgの作成から設置までを自動的に行ってくれるようです。
HTMLサイトへの実装
対象ページのHTMLファイルを開き、ヘッダーの中にschema.orgを貼り付けます。
次のような形になります。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>商品ページ</title>
<script type="application/ld+json">
{
@context: "https://schema.org",
@type: "Product",
name: "AI搭載Webカメラ",
description: "顔認識機能を搭載した高性能カメラ",
brand: { "@type": "Brand", "name": "SmartTech" },
offers: {
@type: "Offer",
price: "9800",
priceCurrency: "JPY",
availability: "https://schema.org/InStock"
}
}
</script>
</head>
<body>
...
</body>
</html>
schema.orgが機能しているか確認
最後に、設置されたschema.orgが正しく機能しているか、Googleのリッチリザルトテストで確認しましょう。

フォームに調べたいページのURLを貼り付けて、エンターをクリックすると、下のように回答してくれます。

問題がなければschema.orgの設置は完了です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。