Claude向けAIO/LLMO対策のすべて【2025年10月】

この記事は「Claudeに自社サイトを引用させたい」と考える人に向けたものです。
もちろん「Claude専用のAIO / LLMO対策」というものは、本来存在しません。
ここで紹介するのは「他のAIにも有効だが、特にClaude向けに強化した方がよいと考えられるもの」だとご理解下さい。
Claudeに掲載、引用されたい
Claudeに掲載(引用)されるのは難易度が高めです。
本記事執筆時点では、AIO対策ドットコムにClaudeからの流入は確認されていません。
ChatGPTやPerplexity、Geminiなどからはありますが、Claudeからだけまだありません。
Claude(アンソロピック社)は、常に参照元情報(どこから来たかの情報)を渡しているわけではない、とも言われています。
もし、同じような状況にあって「Claudeに引用・流入させたい」と考えられているのであれば、ぜひ続きをお読み下さい。

ClaudeのAIO / LLMOが難しい理由①:デフォルトで出典リンクが表示されない
Claudeはデフォルトでは出典リンクを表示しません(これはClaudeに限った話ではありません)。
下の画像は、Claudeに次のプロンプトを入れたときのものです。
AIO対策(LLMO、GEO、AEO)をする上で、どのようなことを行うべきですか。優先順位の高いものから5つリストアップしてください。理由も併せて教えてください。

このように、出典リンクが全く表示されません。
Claudeにその理由を尋ねたところ、
- 多くの質問は既存知識で十分回答できる
- 不必要な検索を避け、効率的に応答する
- 安定した情報には検索は不要
との回答がありました。
その上でClaudeに、次のように聞いてみました。下はその結果をまとめたものです。
Claudeで検索したときに、出典リンクが出る場合と出ない場合があります。
出ない場合は、すでにClaude内にある情報を元に回答しているケースと考えられます。
・どういった質問をすれば出典リンク付きの回答になるのか?
・Claudeはデフォルトでは「出典リンクなし」なのか?
・ユーザーの質問のうち、出典リンクが表示される回答の割合は?
Claudeで出典リンク付き回答になるのはweb_searchツールを使用した場合のみ
Claudeの回答で出典リンクが表示されるのは、web_searchツールを使用して、Claudeが検索した場合のみです。
Claudeがweb_searchツールで検索する質問
- 最新のニュースや時事情報(「今日のニュース」「最近の○○の動向」)
- 2025年2月以降の出来事(Claudeの知識のカットオフ以降)
- 頻繁に変化する情報(株価、天気予報、スポーツ結果など)
- 具体的な統計や数値で最新性が重要なもの
- 「検索して」と明示的に依頼された場合
Claudeが検索しない質問
- 一般的な知識や概念の説明(「光合成の仕組み」「C言語の基礎」)
- 歴史的事実や確立された理論
- 技術的な説明やハウツー
- 創作的な依頼(文章作成、コード生成など)
こうして見ると、多くのケースで「検索なし=出典リンクなし」なのが分かります。
出典リンク付きの回答は推定10%~20%
どれくらいの回答が「出典リンク付き」なのか聞いたところ、
「公式な統計は公開されていない」としつつ、
「推定10-20%程度が検索を伴う回答と考えられます」
とのことでした。
これは驚くべきことです。
従来型の検索エンジンの場合、検索すると何らかの検索一覧が表示されました。
何のリンクも表示されない、ということは通常ありませんでした。
しかし、Claudeの場合は「80%以上が出典リンクが無い」のが実態というわけです。
ここがAIO(LLMO / GEO)がSEOと決定的に異なる点であり、難しい点だと言えるでしょう。
ClaudeのAIO / LLMOが難しい理由②Brave Searchの影響
Claudeは、E-E-A-Tのうち特に権威性(Authoritativeness)と信頼性(Trustworthiness)を重視する傾向があります。
そのため、企業や大手プラットフォーム以外のドメインは、検索結果に表示されないことがほとんどです。
Googleの「検索品質評価ガイドライン」に掲載された、Webサイトの品質を評価するための基準。Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字。2022年12月に、それまでの「E-A-T」にExperience(経験)が加わり「E-E-A-T」となった。
AIO対策では、SEO対策にも増して重視される傾向にある。
「イー・イー・エー・ティー」と読むことが一般的。
この原因についてClaudeに確認したところ、Claudeがweb_searchツールに使っている「Brave Searchエンジンのランキング基準の影響」との回答がありました。
米Brave Software, Inc.が開発したプライバシー保護を重視した検索エンジン。多くの検索エンジンがGoogleやBingをベースに開発されているのに対し、Brave Searchは、それらから完全に独立した独自の検索エンジン。個人情報を収集しないことで知られる。
Brave Searchのランキング基準は、
- ドメインの権威性(大手プラットフォームや企業サイトが有利)
- SEO最適化の度合い
- 被リンク数
- コンテンツの更新頻度
と、Googleなど他の検索エンジンと一見大きな差はありません。
ただ「ドメインの権威性」がより重視される傾向にあるのか、それが企業サイトが掲載されやすい結果につながっているようです。
また、30億ページに上る独自のインデックスを持っていることも「他のAI検索では表示されるが、Claudeでは表示されない」という結果を生んでいる可能性があります。
Claudeに引用されるためのAIO/LLMO対策
①検索を促すコンテンツを揃える
すでに書きましたが、Claudeがweb_searchツールを使って検索するのは、主に次のようなケースでした。
- 最新のニュースや時事情報(「今日のニュース」「最近の○○の動向」)
- 2025年2月以降の出来事(Claudeの知識のカットオフ以降)
- 頻繁に変化する情報(株価、天気予報、スポーツ結果など)
- 具体的な統計や数値で最新性が重要なもの
一言で言うと「数字を伴う最新情報」が必要な場合と言ってもいいでしょう。
まずは、こうしたコンテンツを揃える必要があります。
メディア別「数字を伴う最新情報」
ニュースメディア
- 速報性を最優先に
- 具体的な数値・事実から始まる
- 更新履歴を明示した情報
専門メディア/ブログ
- ニッチな専門領域に特化した
- 数字に裏打ちされた深い分析や独自視点のある
- 定期的な情報を更新(「2025年版」など)
レビュー/比較サイト
- 最新製品・サービスの内容を
- 具体的な比較表と
- 実測データを元に提供
②Claudeに引用されやすいコンテンツを発信する(おすすめの方法)
さらに具体的に発信すべき内容を調べるには、どうすればいいでしょうか。
それは、以下のように既存の出典リストに掲載されているコンテンツから選定するのが最もオススメです。
1.ユーザー(見込み客)が使いそうなプロンプトでClaudeに質問
あなたが動画マーケティング会社の人なら、見込み客が使いそうな「YouTube対策に参考となるサイトを10サイト挙げて」といった質問をClaudeに投げかけます。
2.回答に古い情報が入っていないか調べる
しかし「10個挙げて」と言われても、Claudeが最新の情報で充足できない場合があります。
実際、同じ質問をClaudeにしてみると、下のように昨年の情報も交じっていました。

3.同様の内容で、より新しい情報(数字)を発信する
こうした古いコンテンツを調べて、同じような内容でより新しい情報(数字)の入ったコンテンツを発信するのがおすすめです。
Claudeとしては、できるだけ新しい情報を引用したいはずだからです。
では、「新しい情報」とはいつからの情報でしょうか。
それは2025年2月1日以降です(記事執筆時点)。
この記事の上にある「Claudeがweb_searchツールで検索する質問」の項目で、次のような条件がありました。
- 2025年2月以降の出来事(Claudeの知識のカットオフ以降)
これは、Claude Sonnet 4.5に蓄積された情報は、2025年1月31日分までだという意味です。
2月1日以降に発表された商品、話題になった出来事、新しい技術などを掲載すると、Claudeに検索されやすくなります(=出典リンク付きに表示されやすい)。
その際はschema.org(スキーマ)を設定するなどして、Claudeが2025年2月以降の情報だと認識できるようにしておきましょう。

③権威性・信頼性を高める
権威性や信頼性を高める方法はいくつかありますが、ここでは「エンティティの明確化」を紹介します。
というのも、これが疎かになっているサイトが少なくないからです。
また、すぐ取り組める内容で、コストもほとんどかかりません。
エンティティ(Entity)とは
AIO/LLMOにおけるエンティティとは、自サイトの運営主体を明確にし、他社と区別された状態のことを言います。
他から独立した存在や実体。法人(Business entity)、非営利団体(Non-profit entity)。
ClaudeなどのAIに、自社(サイト)のエンティティを正しく認識させるには、次のような情報が必要です。
- 会社情報
- 会社の扱っている商品・サービスの説明
- オリジナルロゴ
- 経営者(サイト運営者)の氏名と写真
- コンテンツ制作者の氏名と写真
特に自社(サイト)と似たような名称が他社にある場合、より違いを意識してエンティティを整備する必要があります。
AIO対策ドットコムの場合、当初「AIO対策」という名称で始めたのですが、AIOツールの診断で「エンティティが明確でない」とされたため、「AIO対策ドットコム」にした経緯があります。
よく考えれば当たり前の話で「AIO対策」だけだと、他社も使う用語なので区別しにくいのは明らかです。「ドットコム」をつけることで、エンティティを明確にしたというわけです。
運営者・発信者の写真が大切
これは個人的印象ですが、運営者や発信者の写真が思いのほか大切です。
まっすぐ正面を向いた証明写真のようなものでも構いませんが、できれば
- 誰かと会話しているようなもの
- 実際に仕事をしている様子
- 複数人でまとまって写っているもの
があると効果が高いようです(あくまで定性的な印象です)。
ご存知の通り、AIO/LLMOにおいては
- 誰がサイトを運営しているのか
- 誰がこの記事を書いたのか
が、これまで以上に重視されますが、具体的な写真があることで実体としての運営主体(エンティティですね)が明確に認識されるようです。
とは言え「具体的に、どこまで作ればいいか分からない」という場合もあるでしょう。
そういうときは、AIの回答欄に紹介されている競合サイトを参考にされるといいでしょう。
Claude向けAIO/LLMOに取り組む意味
Claudeや、その検索エンジンであるBrave Search対策ができれば、恐らく他のAIでも(より)参照されるように思います。
冒頭にも述べましたが、難易度が高いだけに、今後も取り組んでいきたいと考えています。







