AIの出典リンクのクリック率(CTR)はどれくらい?AI時代のクリック率を徹底調査

この記事は、AIを使った校正を検証する記事でもあるため、文中に誤字・脱字が意図的に含まれています。内容の正確性を損なうものではありません。あらかじめご承知おきください。
該当記事:校正に最も適したAIはどれ?同じ記事をAI校正で比較してみた
AIの回答画面(チャット画面)を見た人が、果たして出典リンクをクリックするだろうか、と思ったことはないでしょうか。
従来の検索結果のページ(SERPs:Search Engine Result Pages)と比べると、AIの回答に表示された出典リンクはとても控えめ。
何より、AIがユーザーが知りたい内容をまとめてくれています。
どれくらいクリックされてるんだろう?
そう思って、今回はAIの回答画面にある出典リンクのクリック率をできるだけ調べてみました。
前半は各AIに出典リンクのクリック率について聞いた内容。後半は海外サイトの調査結果(出典リンク/SERPsのリンク)を紹介しています。

このネタは前回の記事で一部触れました。これは、その拡張版です。調べるのと画像だけAIを使い、全文自分で書きました。

AIに聞いたAIクリック率
まず、各AIにAIクリック率について聞いてみました。
ChatGPT「出典リンクのクリック率は5~15%」
ChatGPTの回答画面に、参照サイトのリンクが表示されることがありますが、あのリンクは実際にクリックされていますか?どれくらいの割合の人がクリックしているか教えて。
ChatGPTによると、出典リンク(「参照リンク」や「ウェブツールによる情報」など)のクリック率は、それ程高くはないとされていること。
OpenAIは具体的なクリック数の統計データは公開していないとの回答がありました。
その上で、推定と断った上で、下のような回答を出してきました。

出典リンクのクリック率は5~15%とのことで、予想よりかなり高い印象でした。
私自身、出典リンクをクリックすることはあまり無かったので、そう思ったのかもしれません。
ChatGPTによると「一般的なユーザーの行動傾向やUX研究、AIヘルプツール全般の分析」からの推定値ということのようです。
なお、ChatGPTは別のサービスの推定クリック率も勝手に出してくれました(※Bing ChatはCopilotの旧名です)。
サービス名 | 平均クリック率 | 備考 |
---|---|---|
Google検索 | 約25〜35%(1位表示) | ただし検索エンジンでの能動的なクリック行動 |
Bing Chat(※) | 5〜20%(出典リンク) | OpenAIと統合されているAIチャット型検索 |
Perplexity | 15〜30%(AI回答内リンク) | 情報探索に特化したAI、出典明示が多い |
Gemini「クリックは少なくなる傾向」
GeminiのDeep Researchから各サイトへは、どれくらい流入していますか。クリック率(CTR)を教えてください。また、Deep Researchを使った場合と、そうでない場合の比較も教えて。
Geminiは回答で「Deep Research機能に特化した具体的なクリック率などのデータは公表していない」と回答した上で、次のような点を指摘していました。
- 直接的なクリックは従来の検索結果より少なくなる傾向
- ユーザーの目的は、レポート内で完結した情報をえること
- いわゆる「ゼロクリック検索」が増加しており、Deep Researchもこの傾向を強める可能性がある
さらにDeep Researchを使っていない場合でもオーガニック検索からの流入は減っており、「ある調査では、AI Overviewsの存在により、トップページのCTRが約34.5%低下したという報告もある」としています。
Claude「従来と比較して低下」
claudeの回答画面にあるリンクから、各サイトへの流入がどの程度あるのか知りたい。クリック率を教えて。またどのような条件でクリックが高く(または低く)なるのかも併せ教えて。
Claudeは、具体的なクリック率のデータは公開されていないとしつつ、GoogleのAIオーバービューが表示された場合について
Ahrefsの調査では、AIオーバービューが表示された場合、検索結果1位のクリック率が34.5%減少し、Amsiveの調査では平均15.49%のクリック率低下 が確認されています。
という回答でした。
また、クリック率が、高く/低くなる原因については、以下の回答がありました。
クリック率(CTR)が高くなる条件:
- 専門的な内容や詳細な情報が必要な場合
- 法的・医療・技術的な情報など、ソースの信頼性が重要な場合
- 複雑な調査や研究が必要な場合
クリック率(CTR)が低くなる条件:
- AIアシスタントが複数のソースから情報を統合し、簡潔で文脈に沿った回答を提供する場合
- シンプルな質問で、AI回答だけで十分な場合
- 一般的な事実確認や定義の確認
ほとんどのケースは後者の「クリック率(CTR)が低くなる条件」にあてはまると思われます。
Perplexity
Perplexityの画面から各サイトへのクリック率はどれくらいか。根拠も併せて回答してください。
Perplexityでも「現状、Perplexity公式が発表しているクリック率の統計データは存在しません」と出ました。
ただ、Claude同様、
- ユーザーは「要約だけを読んで満足する」ケースが増え、リンク自体のクリック率は従来の検索エンジンより低くなる傾向がある
- ただし、学術リサーチや専門性の高い調査では「元情報を確認したい」という動機が強く、リンクが積極的にクリックされるシーンも一定数存在する
という回答がありました。
その他
Manusはセキュリティの関係で回答できないと表示されました。
また、Copilotは質問に正しく回答しませんでした。
海外サイトに見るAIクリック率の実態
最も気になるのは、AI要約(AI Overviws)の導入で、以前よりクリック率が落ちているGoogle検索ではないかと思います。
まず、その辺についてまとめた記事を紹介します。
AI要約表示でCTRが4%から1%未満へ

先入観かもしれませんが、この「1%未満」というのが私の実感に一番合っていました。記事によると、広告CTRも17%→6.5%に低下したと報告されています。
この記事では、AI要約に負けないよう
- 検索意図に応える高品質コンテンツの重要性
- 広告文などで目立つ
などの「AI要約対策」も取り上げられていました。
AI要約の導入でクリック率が約34.5%低下

ahrefsのブログです。クリック率(CTR)を、まだAI要約の無かった2024年3月と2025年3月で比較したところ
- AI要約に入っていない情報系キーワード1位のクリック率は5.6%→3.1%に低下
- AI要約のキーワードのクリック率は7.3%→2.6%に低下
これを踏まえて、仮にAI要約が導入されなかった場合のクリック率を計算したところ4.0%という結果になり、ここから
AI要約の導入でクリック率は34.5%下がったと推測されるというものです。
AI要約があるキーワードではクリック率が15.49%低下

5業界(金融、教育、SaaS、ヘルスケア、ペット)/10サイトにわたって70万件のキーワードを調べた結果として
- 非ブランドのキーワードでは、クリック率は19.98%低下
- 3位以下のキーワードではクリック率は27.04%低下
といった結果が出ていました(注:この場合の「非ブランド」とは、アップやナイキといったブランド名ではなく「食品」や「スポーツ」といった業界やジャンルを指します)。
その一方で、ブランドキーワードは
- そもそもAI要約自体の出現率が低い(4.79%)
- ブランドキーワードでAI要約が表示された場合は、クリック率が18.68%上昇する
という興味深い結果も書かれていました。
ブランド名での検索だと、AIからの流入が増えた話は他でもあり、ChatGPTも含めた例として次のようなものもありました。
ChatGPT/Geminiからの流入が増えたブランド

- Vivの安全性に関するブログがAIに引用され、同社のトラフィックが400%増加
- Joe&Bellaで、ChatGPTからの訪問や購入がSEO施策により増加
とのことです。
Joe&Bellaのトピックは、SearchEngineJournalの記事なので、そういう書き方をしているのかなという印象も無くはないです。
ただ、ChatGPTについて言えば、AI要約があるGoogle検索に比べると外部リンクをクリックする人が多いのも確かなようです。
ChatGPTではGoogleより2.3倍多く外部リンクをクリック

ChatGPTでは、1ユーザーあたり1.4回外部リンクをクリックするのに対し、Google検索では、1ユーザーあたり0.6回外部リンクをクリックする。
このことからChatGPTの方がGoogleより2.3倍、出典リンクをクリックしているという内容でした。
この理由についてGeminiに分析させたところ、次のような回答でした。
少し長いですが引用します。
ChatGPTのユーザーあたりのクリック率がGoogleより高いというデータは、単にAIの回答が不完全だからというだけでなく、ユーザーがAIの提供する情報の「信頼性」を積極的に確認しようとする行動パターンを示唆している。
Google AI Overviewsが「直接回答」を重視し、リンクを後景に追いやることでゼロクリックを増やすのに対し、ChatGPTはリンクをインラインで提示することで、ユーザーに「検証」の機会を与えている。
この行動は、特に情報が複雑であったり、ユーザーがその情報の正確性に疑念を抱いたりする場合に顕著になると考えられる。
このため、コンテンツプロバイダーは、AIに引用されるだけでなく、その引用元として「信頼できる」と認識され、ユーザーがクリックして検証したくなるような権威性のあるコンテンツを提供することが重要になる。
やはり、AI時代もE-E-A-Tが大切ということでしょうか。
ちなみに「ChatGPTはリンクをインラインで提示することで、ユーザーに「検証」の機会を与えている」とありますが、GoogleのAI要約でもインラインリンクがあるほか、画面右にリンク先のサムネイルが表示されているので、この点が原因とは考えにくいと思います。
個人的には、Googleのクリック率が下がっているのは、GoogleのAI要約が分かりやすいのが一番の原因ではないかと考えています。
AIOの主戦場はChatGPT
AIの関連リンクについて「クリック率はほぼゼロ」ぐらいに思っていましたが、予想よりはクリックされているのかな、という印象でした。
また、
- ブランドがあれば、今後もGoogle検索からの流入が増えることもある
- ブランド検索が期待できなければ、ChatGPTに取り上げられることを狙った方がいい
- そのためにはSEO同様、E-E-A-Tが重要
ということが言えるかと思いました。